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ぜんぜん便利じゃないEasyモバイルSuica

クレジットカードの登録なしでもモバイルSuicaが使えるようになったので、さっそく登録してみました。
といっても、Viewカードを新しく作るのはバカバカしいし、かといって馴染みのカードを使うために年会費1000円はもっとバカバカしい。というわけでEasyモバイルsuicaにしてみたのだけど……。

結論から言えば、使えないサービスだと思った。と同時に、なんだかJRがsuicaをどう位置づけたいのかがよくわからなくなってしまった(詳しくは下の続きを)。

2009.8.20追記 この記事は2006年現在の記事です。2009年の情報はこモバイルsuicaに関してはこちらEASYモバイルsuicaについてはこちらをご覧ください。

まずは登録から

まずはケータイにSuicaのソフトをダウンロード。駅のパンフで申し込み方法が書いてあったので、その通りに登録。Suicaパスワードというのが6~8桁の数字というのは面食らったけど、申し込み自体はそれほどの手間ではないかな。

現金での入金は想定外?

で、次に入金。

クレジットカードを使う通常のモバイルsuicaはケータイでできる。さらにViewカードなら改札で自動入金できる。コレは便利。
三菱 UFJやみずほ、三井住友の口座がある人は銀行の口座からも入金できるらしいけど、これには各銀行の手数料として105円がかかる。これもまたバカバカし い。(ついでに、埼玉りそながメインバンクだから使えないなんて腹立たしいので書かない)。唯一、手数料がかからないのは現金だけみたいだ。

で、入金は券売機? 精算機? と思いきや、なんとキオスク系のNewdaysというコンビニかSuicaの使えるファミリーマートでないと入金で きないらしい……。たまたま、僕が一番よく使う新秋津にはNewdaysが改札の外にあるけど、このコンビニ、言うまでもなくどの駅にあるわけではない。 まず、八高線とか相模線の沿線で使うことは想定外ってことですな。せめて、ホームのキオスクで入金できればいいのだけど。

もっと深刻なのは、改札に入るときに「足りない!」と気がついてしまった瞬間。電話でコールセンターに問い合わせてみたところ、改札口で清算するほかないそうだ。精算機も使えず、有人改札に並ぶ。時代を逆行もいいところだなぁ。

で、使ってみたけど……

まぁ、懲りずに入金してみて実際に使ってみたけど、これはかえってメンドくさいかも。

というのは、僕は悪用防止におサイフケータイの機能を暗証番号でロックしていたからだ。僕の使っているケータイW41CAには、Felicaロック の機能がある。これを解除するためには、いったんケータイを開き、あるキーを長押しして、さらに暗証番号を入力しないとFelicaが使えない。これは設 定上の問題だけだから、単純にロックを解除すればいいんだけど、ちょっと心配だ。ほかのデメリットが目につく分、この手間が億劫に感じられる。

で、Easyモバイルsuicaのメリットは?
――誰に使って欲しいサービスなのかわからない

結局のところ、Easyモバイルsuicaはデメリットばかりが目に付く。このEasyモバイルsuica、利用者の側にここまでメリットがないと、(僕みたいな新しもの好きを除けば)いったいをターゲットとしたサービスなんだろう? 

もし、僕みたいにクレジットカードで使ってみたいけど手数料がなぁ……と思っているような人のケータイにもsuicaのFelicaソフトを入れてもらおうという発想なのだとしたら、精算機やキオスクなどチャージのアクセスポイントを増やすべきだ。今のままではモバイルsuicaは面倒、という先入観を植え付けるだけだ。そんな先入観を植え付けられた人が、クレジットカードと連携した普通のモバイルsuicaを使いたいとは思うだろうか?

 

実は、今回のモバイルsuicaの「新サービス」が発表された時期に、「0番のりば」というブログでRyutaroさんがいくつかの問題点を指摘している。ここでは結論部分のみ引用します(できれば元リンクをご覧ください)。

 

最近のSuicaは、こと電子マネー・モバイル分野で、Edyと比較して遅れを取っているというか、サービス内容で見劣りするというか、そういう疑問点が目立つようになってきました。
少なくともユーザーを限定するようなやり方は、自分で自分の首を絞めているようなものではないでしょうか?
もう少し、利用者の視点に立ったサービスを考えないと、Edyやポストペイ方式の電子マネーに負けてしまいますよ。

この指摘はとても適切だと思う。

そもそも、なんでモバイルsuicaなの?

たぶん、クレジットカードと連携したモバイルsuicaの普及はJRにとってはおいしい話なはずだ。なんといっても大きいのは、電子マネーとしての suicaの利用増による手数料収入増。クレジットカードと連携しているモバイルsuicaを持っている人は電子マネーのsuicaの利用額も増えると考 えられる。
では、利用者にとってのモバイルsuicaの利点って?

  • 定期券がケータイでどこでも買える
  • ケータイでどこでもチャージできる
  • ケータイならいつでも持ってる、財布を出さなくてもすむ
  • suicaの残高がどこでも確認できる
     

こんなもんだろうか。さっさとEasyモバイルsuicaを試した僕が書くのもどうかとは思うけど、これだけのためにために月割りにして83円。ケチくさいが、やっぱり高い気がする。
JRにとってのメリットと利用客にとってのメリットが釣り合っているようには思えないのだ。

で、JRにとって、suicaは 乗車券なの? 電子マネーなの? 

JRとしては、suicaを今後どう位置づけたいのだろう?

単純に電車にも乗れる電子マネーとしてsuicaを位置づけているとしたら、モバイルsuicaの登録に他社カードから1,000円の手数料を取るのはやりすぎだ。Ryutaroさんも指摘するとおり、電子マネーの代表格であるEdyはモバイル版でもチャージにカードの手数料なんてかからない。電子マネーという観点を差し引いて切符の機能に限って考えても、長距離の切符や定期券はクレジットカードでも手数料なしで買える。もちろん、他社カードでもだ。自社カードであるViewカードへの誘導は、ポイントサービスなど他の分野で厚くすればいい。

一方、競合他社からJRへの誘導策や公共交通への誘導として利用者の利便を考えるなら、suicaを持つメリットを創出すべきだと思う。その上でなら、現状の他社カード手数料もViewカードに顧客を誘導するのも納得がいく。

そういう意味で良くできているのは関西のPiTaPa。suicaとちがってPiTaPaそのものがクレジットカードと同じポストペイ(後払い)と いうこともあって、使えるカードは限られている。そのかわり、社局ごとに利用額や利用回数に応じて自動割引をするようになっている。同じ電車を使えば使う ほど安くなる、というのは、鉄道と自動車が競合する地域や鉄道会社どうしが競合している地域においてはかなりのアドバンテージになると思う。

残念ながら、PiTaPaのような運賃面での魅力的なサービスは、現在のモバイルsuicaにはほとんどない(グリーン券くらいか)。モバイルsuicaではないが、View・suicaには10月からオートチャージ機能が追加された。でも、このサービスは便利ではあれ、乗客を誘導するものではない。

やっぱり、乗車券として優れた電子マネーであって欲しい 

個人的には、suicaは公共交通としてのJRをより魅力的に見せるサービスとして位置づけて欲しいと考えている。だから、その進化系としてのモバイルsuicaには、その発展の方向に見合った使い勝手の良さが伴って欲しい。

もちろん、電子マネーとしてsuicaの使い勝手がよい方が望ましいのはいうまでもない。でも、利用者がsuicaを持つことで、電車に、それもJRの電車に乗ろうと思わせるだけの仕掛があってこそ、初めてJRがsuicaを持つ意味があるのではないか。とりわけ、その先端を行くサービスであろうモバイルsuicaには、それ相応の魅力が欲しい。

ではどんな魅力を付加できるのか。一番わかりやすいのは運賃面だ。例えば、モバイルsuicaやViewカードでチャージの場合はチャージ金額が1割増しなんて、身も蓋もないけれど、一番わかりやすい。

でも、運賃面でなくても夢のあるサービスは提供できるはずだ。

たとえば、JRの乗車記録に応じて毎回どれだけ貯まったかすぐチェックできるマイレージサービスなんてどうだろうか。毎回の乗車の記録から電車に乗った距離がモバイルsuicaの画面でチェックでき、その距離に比例して無料乗車券サービスがもらえる。「よし、盛岡まであともうちょっと」なんてモバイルsuicaの画面でチェックできれば、夢があると思う。また、ケータイのアプリと連携して10000名様に1人、東北旅行、なんて抽選キャンペーンも悪くないかもしれない。

地方では、公共交通の乗客離れを食い止める手段として、公共交通のIC乗車券導入や電子マネー導入が増えている。日本最大の公共交通企業として、JRには現状の中途半端なサービスではなく、魅力あるサービスを期待したい。

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コメント

>saitoさま
ほとんど手入れをしていない(というか自分でも閲覧していない……)メンテナンスモードだったんで、コメントもせず放置してスミマセン。

この後、結局モバイルsuicaをクレジットカードとリンクさせて使っています。マンマとノセられたわけですが、この記事に書いた疑問は未だ、というか、むしろ強くなっています。ポイント制も決して電車の利用に結びつく感じではないですし。

投稿: ケンパ | 2007年9月18日 (火) 21:01

はじめまして。モバイルsuicaの導入を、考えていて(対応の携帯に変えたので)、調べてみると、本当にすっきりしないことばかりで、頭に来ていたのですが、ここを読んで、そうだそうだ、と少しは溜飲を下げることができました。

思えば、バスだって電車だって、ひと昔前までは、事前にまとまった金額の購入があれば、逆に金額を上乗せしてくれてましたよね。オレンジカードしかり、回数券しかり。
そのころの考えとずいぶん、かけはなれてしまったものです。

それでは、突然のコメント、失礼しました。

投稿: saito | 2007年7月10日 (火) 23:49

>龍太郎さん
コメントありがとうございます。

単純に、実はあまり使わせたくない、なんてことはないですよね。携帯でガツンガツンぶつけられてICリーダの損傷が気になるとか……。ともあれ、残念でならないです。

今後とも、龍太郎さんのサイト、楽しみにしてます~。

投稿: ケンパ | 2006年10月23日 (月) 23:57

こんにちは。私のブログをご紹介いただきありがとうございます。
EasyモバイルSuicaを実際に使われたようですが、私の予想通り、やはり「ツカエナイ」サービスだったみたいですね…。
個人的には広義での電子マネー(交通・ショッピングを問わず)には大いに期待しているだけに、JR東日本の「迷走ぶり」にはかなり失望しているところです。
交通分野に限るのであれば、自社クレカへの誘導というのも、戦略上、まぁ、アリかな?と妥協できなくもないのですが、それにしてもご指摘の通りPiTaPaと比べて大いに見劣りがしますね。

実際のところ、これまでカード型Suicaに関しては、それなりに頑張ってきたと思います。ではなぜモバイルでここまで迷走しているのか…?携帯電話キャリア各社との間で何か問題でもあるのでしょうか?
積極的に「モバイルSuica」を使ってみたくなる何かがない限り、いつまで経っても普及しないのは間違いないでしょうね。自分はViewカードを持っていたから使っていますが、もし当初の予定通りViewカードユーザーにまで「年会費」を取るようになったら、即刻登録解除してアプリも削除します。だいいち、アプリの領域もバカに喰ってますし。

投稿: 龍太郎 | 2006年10月23日 (月) 22:48

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モバイルsuicaについてブログに記事を書いて3年、かなり事情が変わってきました。現状を再確認。 [続きを読む]

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